株式譲渡と事業譲渡のメリット・デメリット 【事業譲渡編】
前回の投稿では、M&A手法の中でも広く活用されている株式譲渡と事業譲渡の違いをお伝えしました。
今回は、「事業譲渡」を選択する際のメリット・デメリットをお伝えします。
【譲渡側のメリット・デメリット】
▼メリット
・採算事業への注力、不採算事業のみ切り離しができる
複数の事業を所有している企業の場合、会社を存続させたまま、事業の一部を選択して譲渡できます。一部事業の譲渡によって獲得した資金を採算事業に投じれば、会社のさらなる成長が図れます。また、不採算事業のみ切り離すなど、自由度の高い事業取引を行うことができます。
▼デメリット
・手続きが煩雑になる
譲受企業と譲渡企業の間で事業譲渡契約を締結する際に、譲渡側企業の資産目録を用いて、譲渡対象の事業の資産と負債の全てを明確にする必要があります。また、これまで結んでいた取引先や従業員との契約、不動産の賃貸借契約などについても、再度個別に結び直す必要があるため、株式譲渡と比較すると手続きが煩雑だとされています。
【譲受側のメリット・デメリット】
▼メリット
・必要な事業のみを選択して取得できる
必要な事業のみ、取引対象の資産を選んで譲受できるため、譲受側企業にとって魅力的ではない事業や資産などの承継を回避することができいます。
・節税できる
事業譲渡を行う際、のれん相当額については、5年間の償却が損金として計上できます。これにより節税効果が期待できます。
▼デメリット
・取引先、従業員と新たに契約を締結する必要がある
譲渡側と同様に、取引先や社員と新たに契約を締結しなければなりません。このとき、取引先から同意を得られないと譲渡企業が有していた契約は承継できず、社員から同意を得られなければ転籍させることができません。
・事業に必要な許認可を引き継げない
運送業や建設業、私立学校や薬局など、事業を手掛けるうえで必要な許認可は承継できないため、行政機関などで許認可手続きを再度取り直す必要があります。
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事業譲渡と株式譲渡ではメリット・デメリットに大きな違いがありますので、M&Aの際は自社の状況に適した手法を選択するようにしましょう。
次回は「株式譲渡」を選択する際のメリット・デメリットをお伝えします。
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