薬局の開業、資金はいくら必要?

前回の記事では、薬剤師として働いている方が独立を考えた際に、必ず抑えておきたい基礎知識をご紹介しました。

今回は独立開業する際に、必要な資金について記載します。


必要な資金といっても、薬局の形状や店舗の規模、取り扱う薬剤や商品などによって、準備するべく金額は変わります。

しかし、開業資金の内訳とおおよその相場を知っておけば、計画を立てやすくなりますよね。

どのような項目に、いくらほどかかるのでしょうか。



1.物件取得費

物件の取得には一般的に、保証金と仲介手数料がかかります。保証金については、店舗物件の場合は賃料の10ヶ月分が目安と言われているので、賃料10万円の物件であれば、保証金は100万円ほど。仲介手数料は賃料の1ヶ月分を目安‎に算出しましょう。


2.内装外装工事費

薬局は清潔感を大切にする業態のため、物件を取得後に新たにリフォームするのが一般的です。リフォームの規模や内容にもよりますが、一般的には300〜1000万円程度は必要になると見込んでおきましょう。


3.機材・備品の仕入れ費用

薬局に必ず必要な設備としてレセプトコンピュータ、コピー機、作業台、薬剤、接客設備、薬剤の保冷庫などがあげられます。それに加えて事務用品や消耗品などを準備します。初期費用の相場は100万円から300万円と考えておきましょう。


4.薬品仕入

最近では、ジェネリック医薬品が普及したことで常備する医薬品の種類も多くなりました。医薬品の種類はサービスの質にも直結しますので、できるだけ多めに用意しておきたいもの。店舗で取り扱う医薬品は、お客様のニーズや店の規模によっても変わってきますが、開業の際に十分な医薬品を仕入れるには200万~400万円程度がかかると考えておきましょう。


5.広告費

場所や経営方針にもよりますが、調薬局は基本的に広告費等がかからない業種といわれています。だからこそ、うまく広告費用をかけることで、周囲の競合に差をつけることができるでしょう。15万円程度を見込んでおけばよいかと思います。


6.運転資金

まず、運転資金の大半を占める人件費を算出します。薬剤師を何人雇うのか、事務員は必要か、などを考えましょう。給料だけではなく、雇用保険や社会保障も頭に入れておかなければなりません。

その他、家賃、水道光熱費、通信費、リース代など、1か月に必要な資金を計算して、その3~6倍は運転資金として用意しておいた方がよいでしょう。



この様に、薬局の開業には様々な支出が見込まれますので、余裕をみて準備するように心がけたいですね。

全くゼロから開業する場合、想定外の出費や、経営が安定するまでにプラスで運転資金が必要になることもあるでしょう。そういった時にM&Aによる開業もひとつの選択肢となってきます。M&Aの場合、すでに運営している薬局を継承するため、資金計画が立てやすいのです。


我々はM&Aによる薬局経営のご提案から実際の運用サポートまでを手掛けていますので、興味がある方はぜひお気軽にお問い合わせください。

薬剤師 高岡 丈 -Jo Takaoka-

薬剤師として働く傍ら、薬剤師だからできる新時代の資産構築方法を教えています。 何事にも積極的に取り組み、どのような仕事にも100%の努力を注ぐことをお約束いたします。